【祝MRC大賞2025受賞】FM802のDJ・浅井博章さんに勧められるがまま『探偵小石は恋しない』を読んで膝を叩いて笑った件
私はメフィスト賞を目指すあまり講談社の文芸第三出版部に対してお布施として毎月550円払っています。現在のメフィスト自体がサブスク制の文芸誌という体で成り立っていて、季刊+α(メフィスト賞受賞特別号)がだいたい4ヶ月に1度のペースで自宅のポスト宛てに送られてきます。
そんなメフィストの読者によって選ばれる「MRC大賞」という今年一のミステリ小説を決める大賞の2025年度を堂々受賞したのが森バジル先生の『探偵小石は恋しない』でした。小説自体はFM802のDJである浅井博章さんが力説していたのでずっと気になっていましたが、MRC大賞を受賞したということで購入しました。膝を叩いて笑いました。
あらすじ
生粋のミステリオタクである女性・小石は福岡で情報収集担当の蓮杖と広報担当の雛未とともに「小石探偵事務所」という小さな探偵事務所を営んでいた。しかし、小石の元に入ってくる依頼の9割は「色恋沙汰」であり、彼女は依頼を解決する度にガッカリしていた。
そんな中、小石の周りで連続猟奇殺人事件が相次ぐ。遺体の共通点はいずれも「胸にひび割れたハートマーク(💔)が入っていたこと」であり、警察では捜査を進めていた……。
正直言ってここまでしか語れません。あとは自分の目で確かめてください。
ざっくり感想
最初浅井さんの書評を聞いていた時は「ラノベか……」と思っていました。(実際森バジル先生はラノベの大きな新人賞を受賞した経緯がある)
しかし、その「ラノベっぽいタイトル」と「ラノベっぽい表紙」に騙されちゃいけません。中身はれっきとした本格推理小説でした。
小石ちゃんのミステリのセレクトが『魍魎の匣』を筆頭に『殺しの双曲線』や『十角館の殺人』など中々渋い趣味をお持ちのようですが、中には『夢水清志郎』という世代ドストライクのセレクトもあったりします。特に序盤から頻繁に出てくる『魍魎の匣』(恐らく文庫版)は覚えておいてください。多分京極夏彦ファンなら解決編で膝を叩いて笑うはずです。実際笑いました。
それにしても「人は見かけによらず」というのは便利な言葉ですね。多くは語りませんが人を見かけで判断するという行為はあまりにも危険だと改めて思いました。
余談
森バジル先生の義理の姉はシンガーソングライターの藤原さくらさんです。浅井さんから話を聞いてビックリしました。(ちなみに森バジル先生も藤原さくらさんも九州出身)
ついでに文庫版『魍魎の匣』の厚さは1060ページ、約3.9cmです。お察しください。
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